社長ブログ

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講演

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一昨年、ご縁があって初の著書『発酵野郎!野生酵母で世界一のビールをつくる』を出版させていただいた。おせわになった出版社といい、関わってくださった方々といい、当代一流の大御所ばかりであるにもかかわらず、できた本の内容は結局わたしのレベルに集束してしまい関係者には申し訳ない限りなのだが何とか重版には漕ぎつけたようで、最低限の責任を果たすことができてホッとしている。

その出版以来、あちらこちらから講演のご依頼を受けるようになった。もちろん出版前から、時折、講演や学会誌などへの寄稿の依頼はうけ、事情が許せばお引き受けさせていただいていたのだが、本を出版した後は、そうしたご依頼が飛躍的に増えた。

そうなるとこれまでのように片っ端からお引受けはできない。やってやれなくは無かろうが、そうなると社長業はもはやほぼそっちのけになる。先日、とあるオンライン講演でご一緒した水代優氏も、その講演のなかで、いまのわたしは噺家になって講演しまくるのが一番稼げるというようなことを言っていた。かれは、わたしにとって年下の兄貴のような存在で、発達障害でデンツの多い私にときおり思いがけない示唆を与えてくれる。かれは、私は話せば稼げるが、そんなわたしは面白くないとも話していた。全く同感である。そんなわたしを私自身も到底肯定もできず、当然、好きにもなれない。

さて、それでも講演の依頼はやってくる。それも、ご縁のある方、お世話になったことがある方からも。あちらを断り、こちらを受けると角が立つ。さてどうしたものかと思い、ならばと定価を一律20万円以上とさせていただいた。そこまで上げれば流石に講演依頼もないだろうと。

ところがである。

来るのだ。

60分あるいは90分20万円でも依頼が来るのだ。これにはまいった。20万円の話をする自信が無い。ほんとにまいった。まいったが、有難くもある。ならば、20万円分の話をしようではないかとおもい至った。

そう思って講演の構想を練ると、これまでより一段深く考えることになる。いわゆる考えるレイヤーを一段上げる必要がある。実は、今日も今度依頼されている講演のシナリオを考えていた。考える中で、自分の頭の中をずいぶんと整理できた。従前から講演という究極のアウトプットを自らに強制することで、私の頭の中に雑然と放り込んであるいろいろなコンセプトや想いを整理・整頓することができることには気が付いていたが、20万円分の対価に耐えうる従来より少しだけレイヤーの上がった講演をかんがえると、頭の中の整理ももう一段あがるようで、今日はずいぶんと頭が整理できた気がする。

さてと、これから2週間の間に講演を二本引き受けている。せっかくだから、もうちょっとかんがえてみよう。

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