社長ブログ

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ビールは必需品か

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ビール造りをはじめて間もなく4半世紀になるが、つい最近までビールは生活必需品では無いと思っていた。しかし、最近はその考えを改めつつある。

 

 文献をあたってみると、人類が農耕をはじめるとその地で必ずアルコール醸造を始めてきたことが判る。諸説あろうが、人類は農耕が始まったことで、定住生活をするようになり、富の蓄積が階級社会を生み、次第にストレスフルな社会になっていった。このストレスの緩和に人は酒を欲し、為政者も酒の力を借りて民を治めたという説がある。アルコールの愛飲家にとっていかにも都合の良さそうな話だが、ほぼ定説になりつつある。最近ではもっと過激で、人類はアルコール飲料欲しさに農耕を始めたという説まで目にしたことがある。

 

 いやいや、俺は全くの下戸だが、ふつうに社会生活を送れているという方もあろう。個々人を対象に考えるとそうしたこともあるだろうが、酒を飲める人間たちが、酒を飲んだ方がより社会に順応しやすいなら、成人の多くが酒を欲し、結果、社会全体として酒が必需品と考えることには妥当性がある。

 

 確かに酒はそれが無ければだれもが生活に困るような生活必需品では無い。しかし、酒があることで、より豊かな人生になる人は多いと思っている。そして、これだけストレスフルな世の中に酒が無ければ、もっと殺伐とした世の中になるだろうと思っている。このストレス一杯の今、わたしたちのビールが日本のどこかで、誰かを癒してくれているならつくり手としてこれ以上の喜びはない。

伊勢角屋麦酒
代表取締役社長 鈴木成宗