[伊勢角NEWS] イセカドの美味しさの秘密 ~ワールプール編~

こんにちは!

クーラーがガンガンに効いた涼しい部屋で、
西海岸スタイルのIPAをパイントでガブ飲みするのが、大好き

新入社員の山宮です。

 

前回投稿した記事でちらっと触れていましたが、
8/1,2にクラフトビアアソシエーション主催のビアジャッジセミナーを受講してきました!

その結果…
シニアビアジャッジに認定されました!!

近年人気のスタイルのビールは大体わかるんですが、
伝統的なスタイルのビールの知識があまりなくて、結構苦戦…

実技試験でたくさんミスってたので、冷や冷やしていましたが、
なんとか合格…一安心です。

世界大会でもジャッジをつとめる社長の後を継げるよう
高いレベルのジャッジを目指して、これからも精進して参りますので
よろしくお願いいたします。

 

 

さて、過去に仕込み工程の解説記事を書いていたのですが、
ボイルまで書いて2ヶ月以上放置していました笑

1. モルトミル編
2. マッシング編
3. ボイル編

 

麦汁をボイルした後は、ワールプール釜に移送、静置したのちに、
麦汁を急速冷却して、発酵タンクへ移送します。
その移送中に酵母を接種して、仕込みは終わりになります。

後は酵母のお仕事次第。

 

今回の記事では、ワールプールから仕込みの終わりまで、解説しとうございます。

目次

  • ワールプールの役割
  • ワールプールホッピング
  • 熱交換器の重要性
  • いちばんいちばん大事な酵母のピッチング

 

ワールプールの役割

ワールプールは必ずしもなくても良い行程ですが、
一手間入れることで、ビールの清澄度が高まり、
イセカドのクリアな味わいの鍵となっています。

その仕組みについて解説して参ります。

 

ワールプールは英語で書くとWhirlpool
渦巻く(Whirl)プール(Pool)という意味になります。

その文字通り、煮沸釜からワールプールに移送するときには、
ワールプールの釜の側面から時計回り方向に渦巻きができる様に
麦汁を噴出させます。

渦ができると、トゥルブと呼ばれる
ボイルの間にできた不要なタンパク質が凝固した成分が
渦の中心の方へ集まってきます。
20分ほど静置しておくと中心部にガッチリと固まってきます。

(ケーキみたいですね…😋)

そして、再度釜の側面から麦汁を取り出すことで、
この中心に溜まったトゥルブを残して、
綺麗な麦汁だけを発酵タンクに移していきます。

ワールプールを経ることで、ボイル行程だけでは沈殿除去し切れなかった
凝固成分を除去することができるんですね。

不要なタンパク成分を除くことで、クリアな麦汁を作る、
というのがワールプール行程の大きな役割です。

 

ワールプールホッピング

ワールプールの本来の目的は上に書いた通りなのですが、
伊勢角では、IPAをはじめとしたホップにフィーチャーしたビールでは、
ワールプールにホップを投入するワールプールホッピングを行っています。

煮沸中に投入するよりも、苦味を抑えつつ、香りを効率的に抽出できるため、
近年主流となりつつある、苦すぎず香るタイプのIPAでは必須テクニックですね。

ワールプールホッピングでの苦味の抽出量は、
ボイルで60分間煮る場合の数十分の一だそうです。
なのに、火を切っているので、煮沸中に比べて、
揮発性の高いホップのアロマ成分が保持されやすく、
香り成分が麦汁に移行しやすいんですね。

 

なら、ボイルでホップを入れずに、
ワールプールでたくさんホップを入れたらいいんじゃないの?
と思う人がいるかもしれません。

確かにそうなんですが、ワールプールでホップを入れすぎると
トゥルブがカッチリとまとまらず、ドゥルドゥルになって
綺麗な麦汁が取れなくなってしまうこともあり、

現在でも、ホップの投入タイミング、投入量に関しては、
最適解探索に励んでいます。

 

熱交換器の重要性

ワールプールを経た麦汁は、
熱交換器で急速冷却されて発酵タンクへ移送されていきます。

 

この”急速”に冷却することが非常に大事です。

なぜか。

高い温度の麦汁では、オフフレーバーのDMSの生成が起きるからです。

ボイル編で述べたとおり、DMSは揮発性が高く、
長時間の煮沸で消え去るのですが、
前駆体であるSMMは麦汁中に残存しており、
30~40℃くらいの温度になると、
ガンガンDMSに変換されます。

 

もう1つの理由は最速で麦汁に酵母を接種するためです。

出来上がった麦汁というのは糖度が高く、
非常に雑菌汚染を受けやすい状態です。
できるだけ早く、酵母を接種しないと、
酵母以外の菌に侵されて、ダメになってしまう可能性があります。

活動適温の20℃前後まで麦汁を冷却しないと、
酵母を接種できないので、
麦汁は急速冷却が原則です。

30℃くらいの温度条件下は乳酸菌が一番元気なので、怖いですね…

 

イセカドでは(おそらく)高性能の熱交換器を使用していて、
真夏でも発酵適温の20℃前後まで、
麦汁をすぐに冷却することができます。

ありがたや〜

 

いちばんいちばん大事な酵母のピッチング

イセカドでは、麦汁をワールプールから発酵タンクに移送している間に、
酵母をピッチングします。

ビール醸造において、一番大きな役割を担っているのが、酵母。

うまく仕込みができても、酵母がちゃんと仕事をしてくれないと、
良いビールができません。

 

酵母が気持ちよく仕事ができる様に、
麦汁への他の雑菌などの侵入を許さず、心地よい環境を整えてあげることが大事です。

良い麦汁を作ること、そして
温度管理、酸素濃度の調整、適切な菌体数管理など…

 

酵母を扱っていると、
やはり馬に乗るのと通ずるものを感じることが多くて、

酵母も馬も、長い歴史を共に歩んできた生き物ですから、
正しい状態を整えてあげれば、
求めている仕事をきっちりこなしてくれます。

声は上げてくれないので、
彼らが何を求めているのか、
こちらから汲み取る必要があるのが、難しいところですが、
いかに声にならないメッセージを読み取るか、
そこがおもしろいところでもありますね。

 

 

いかがだったでしょうか。
仕込み全体について、一通り解説してきました。

まだまだ自分の中でも消化し切れていない部分が多いので、
わかりにくい部分が多くあったかと思います。

これからも勉強、精進して参りますので、
またブラッシュアップして、お伝えできれば、と思います。

 

長文ながらご精読してくださった皆様、
いつもありがとうございます😊

山宮



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