伊勢角屋麦酒ブログ

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【伊勢角news】採取した野生酵母でビールを醸す研究開発プロジェクト 進行中😊

 

こんにちは。
新入社員の山宮です。

 

10/31,11/1に行われたクラフトビアアソシエーション主催、
ビールの国際審査会「インターナショナルビアカップ」で
伊勢角屋麦酒は7年連続の最多受賞を果たしました!!
しかも出品13品目中11品目が受賞と非常に高い打率!!
製造の一部に関わっているものとして、嬉しい出来事でした。

実は私、この審査会に審査員として、社長と一緒に行ってまいりました。

もちろん、出品したビールの審査には関われぬように、
違うカテゴリーのビールを審査してきたのですが、

普段あまり触れることのないスタイルでも、
やはりバランス感だったり、飲み口のスムーズさだったり、
高い評価を受けるにあたって、
必要となってくる普遍的な要素が垣間見えて、
とても刺激的でした!!

社長の紹介で業界の方達ともつながることもできて、
とても成長できた出張でした😊

良い経験を積ませてもらった上に、
翌々日にIBC最多受賞連覇の結果を受けて、
めちゃめちゃうれしかったです!!

 

さて、本題で
先月、野生酵母の採取に社長とともに出かけて、
「野生酵母ハンターへの道」という記事を投稿させていただきましたが、
その先の進捗について報告させていただきます。
KADOYA-1に次ぐ、野生酵母でのビール醸造を目指して、研究開発プロジェクトが進行中です😊

採取して、麦汁中で増殖した酵母ですが、
酵母を培養する専用の寒天培地に塗布して、
シングルコロニーから単離しました。

 

上の一文を読んで、「意味わからん!」と思われる方が大半だと思いますので(僕も実際に取り組むまではよくわかっていませんでした笑)、この作業について解説させていただきます。(タブを開いてください)

酵母の単離について

まずは「単離」という言葉についてですが、これは単一の親に由来する酵母を分離するということです。…よくわかりませんね笑
まだまだ詳しく説明させていただきますので、
なんとなくで良いので読み進めてください。意図することが見えてくるかもしれません。

さて、酵母を単離することの動機についてですが、

採取して培養している野生酵母を含む麦汁、というのは、
多分、いろんな生物がいます。
酵母以外の微生物がいるかもしれませんし、
酵母といっても、ヒトという生き物に人種というものがあるように、
いろんな種類がいるかもしれません。

ビール醸造に野生酵母を使う、ということを考えた場合、
品質管理の観点から、
特定の1つの種類の野生酵母まで落とし込んで、
その特質をしっかり理解した上で、
製品化していく必要があります。

だから、いろんな生物の入り乱れる菌叢の中から、
1つの酵母を分離しようとしました。

 

ここからは実際の「単離」するための作業について説明します。

寒天培地というのは、寒天に栄養成分を混ぜた固形物で、直径10cmくらいで薄いケースの中に成型して作ります。酵母に限らず、微生物を培養するのによく使われています。
人間で言うと、「チャーリーとチョコレート工場」に出てくる工場みたいな世界観だと思います。ご馳走だらけ。

酵母の存在している麦汁をこの寒天培地上で、薄く伸ばしていくことで、培地上に着地した一つの酵母がその場で栄養分を食べて、分裂増殖、どんどん成長して、コロニーと呼ばれる白い点々を作っていきます。

写真の右上のぐちゃっとしてるあたりは、コロニー同士が混ざり合って、いろんな親をもつ酵母がひしめき合っている状態なんですけども、
写真下部に散見される、綺麗な丸の点々の部分は、
一つの酵母を親にした遺伝的に均一なクローン軍団なんですね。
このクローン軍団の酵母を捕まえることで、酵母の単離ができます

とまれ、遺伝的に単一なコロニー群を作り出しまして、

次は、再びこのコロニーを麦汁中に戻しまして、
発酵試験をしています。

この酵母は(酵母なのか、も未だ定かではありませんが)、フローラルでフルーティで、
ちょっとヴァイツェンみたいな薬っぽさもある、
不思議な感じです💕

ビール醸造に資する能力があるかどうか…?
単離した酵母群約20種について、調査していきたいと考えてます。

いつかは僕の見つけた野生酵母でビールを作ります!!
よろしくお願いいたします👐

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