伊勢角屋麦酒ブログ

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微生物への憧憬

伊勢角屋麦酒ファンのみなさまこんにちは。伊勢角屋麦酒社長の鈴木成宗です。日頃のご愛顧に心から感謝いたします。

今から約20年前の1997年、私はクラフトビールの醸造をはじめました。小さな老舗餅屋のせがれだった私が、それまで全くの門外漢だったクラフトビールの世界に足を踏み入れたのには、いくつかの理由がありますが、中でも、大きなウエート占めるが微生物への憧れです。

私は大学4年生の時、海に住むプランクトンを培養しその培養液や菌体から生理活性物質を抽出し精製・単離して、科学的性状や分子構造を調べる研究をしていました。当時この分野の世界的な権威であった安元健先生から直接ご指導いただく幸運に恵まれ、日々いい緊張感とワクワク感の中で研究ができる本当に素晴らしい一年を過ごすことができました。この一年間で、幼少期から持っていた私の小さい生き物への興味は決定的なものとなりました。許されるなら大学院に進み研究を続けたかったのですが、卒業後は実家に帰って餅屋になることを心待ちにしている両親にそのことを伝えることはできず、力いっぱい後ろ髪を引かれながら大学を後にしました。

そして、実家に帰って数年が過ぎた1995年、突如、細川内閣が推し進めた規制緩和の目玉政策の一つとして、地ビールの規制緩和が発表されました。

ビール醸造に限らず、醸造とは、酵母という微生物の力を借りて新たな食品をつくること。ビールつくりをはじめれば、必然的に酵母という微生物たちと向き合うことができる。これが、当社伊勢角屋麦酒の今に続く大きなモチベーションの一つになっています。

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