社長ブログ

社長ブログ

ペールエール

Pocket

ファンの方々には、伊勢角屋麦酒を代表する銘柄として『イセペ』と呼んでいただいています。1997年にビール造りをはじめ、最初に仕込んだビールがペールエールでした。2003年にわたしたちがはじめて国際大会で金賞を受賞たのも、International Brewing Awardではじめて金賞を受賞したのも、全てこのペールエールで、わたしたちにとってひときわ思い入れの強いビールです。

 

わたしたちは、美味しいビールを追求し、毎仕込みのように少しずつ改良を重ねてきました。

 

使用するホップだけを考えても、多くの変遷を重ねてきました。
当初はカスケードがメインでした。
ほんの一時だけ、イギリスのケントゴールディングスを使ったこともあります。
現在は、シトラをメインに使っています。

 

現在のイセペは、オーソドックスなアメリカンタイプペールエールで、極端に強いアロマやフレーバーはなく、バランスの取れたビールにしあげています。それだけに、小さなミスも目立ってしまうビールです。ですので、American Ale Yeast1056というきれいな発酵エステルの酵母を使い、丁寧に繊細に仕上げています。

少し脱線しますが、このAmerican Ale Yeast1056はわたしたちの業界では世界的によく知られた酵母で、英語ネイティヴの人たちはテン・フィフティーファイヴ・イーストと発音します。この酵母は前述の通り、最終商品のエステルは特に尖ったところがなく、キレイな香気特性なのですが、面白いのは、発酵2日目に黒糖の香りのするエステルを作り出します。ですから、ペールエールを仕込んだ翌朝に工場に入ったときにこの黒糖の香りをかぐと、「お!1056元気に立ち上がってくれたな。」とホッとします。

 

これからもこのビールはきっと進化を続けていきます。2020年の今、わたしたちにできる最高のペールエールをどうか楽しんでください。

 

伊勢角屋麦酒
代表取締役社長 鈴木成宗